財団について

財団名の由来

創立者 寺岡清照氏
川西器械店 創業者
寺岡 清照
当法人は、1921(大正10)年に、川西器械店を創業した『寺岡清照』氏の名前からとっております。

寺岡清照氏は、20歳のとき「カワニシ」の前身である川西器械店を創業します。当時はまだ個人商店でありながら、日本で初めて開催された医療機器の展示会「医科器械学会」(大正13年4月1~3日)に、有名病院や当時すでに名を成していた機器店、製作所と並んで展示するなど、進取の気性に富んだ人物でありました。

また清照氏は、「川西器械店商道六か条」として、商業人としての守るべき道、商業上の道徳を次のように掲げました。

1.約束した期日の器材を納入する
2.遅れる場合は事前に連絡し、代わりの納入日を明示する
3.お叱り、苦情には誠心誠意を尽くす
4.国産品の品質向上に努力する
5.粗悪品は扱わないようにする
6.店員の教育に力を注ぐ

誠実で、どちらかというと商売についてあっさりしているところがあった清照氏の人柄を、ある医師は次のようなエピソードで語っています。

私は開業するとき、ついつい人を信用したばかりに、だまされて、必要な資金が調達できなかったんです。当時川西さんに、支払いできない訳を話したところ『先生、そんなことはもう、できたときでいいですから』という返事だったので、私はこういうふうにお願いした。
「必要な器械は、前もってお願いしておいて、それを半年か一年以内には買うけれども、開業のとき一度に持って来てもらわんでもいい。それをこちらが必要なときに持って来てください。そして、その都度お支払いしたい」。
川西さんはそれを笑って快諾してくれた。『どうぞ、お使いください』と。
当時困っていた私としては非常に感激し、また感銘を受けた。
その後もよくお会いしたが、川西さんはそのことを一言も言われない。普通は多少威張るものだけどね。私のほうは、いっそう申し訳ないという思いがつのり、できるだけ早くお返しした。これは、いまだに忘れられない思い出です。

真心をもってお客様と向き合ってきた清照氏の意志を継ぎ、当法人も医学の発展にわずかでも貢献すべく、活動してまいります。